悲しみこぼれた床のシミ 探し疲れてる大人達が彷徨うエブリデイの上

地元の書店で哀しい事件が起きた。

私も良く行く場所だっただけに、連日TVに流される映像を見てはやりきれない気持ちになる。
自分と同い年の容疑者の、ぽつぽつと伝えられる動機には、もう情けなさしか感じない。
むしゃくしゃして誰でも良かったのなら、自分の腹でも刺しておけ。
ただ本が好きで、この先の眩しい未来を抱えていたであろう彼女の人生をいきなり終わらせてしまう権利など、お前にはありはしないのだと。

ニュースで知った、その瞬間に彼女が仕事をしていた場所は、女性誌の棚の前だったそうだ。
「本の整理をしていて…」と聞いたが、きっと翌日発売の女性誌を並べていたのでは。
毎月23日というのは、CamCanやViViなどの女性ファッション誌がどーん!と出る日。
20日を過ぎると雑誌の発売量は翌月頭にかけて目に見えて膨れていくが、
23日は、まさにそのピークの始まりなのだ。
雑誌担当だった私が、毎月のルーチンワークの中でも最も忌み嫌ったのが23日と24日。

ただでさえ忙しいのに、それに輪をかけて、この7月23日という日は特別な日。
ハリーポッター最終巻がいよいよ発売解禁される日だったのだから。
全国、どこの書店でも準備に大忙しだったと思う。
書店員の皆様、本当にお疲れ様でした。


何の落ち度もない人間が、たった一人の身勝手のためになぜ命まで奪われるのか。
今年に入ってたびたび起きている、こうした類の事件に哀しくやるせなく思うけれど、
今回は特に、書店という、自分も思い入れのある場所が現場となってしまっただけに、
もう本当に何と言っていいのかわからない。
私みたいなヤツがこうしてブログの記事にしていいのか、とも思う。

駅ビルのテナントで、夜10時閉店。
若い女の子がアルバイトするにも、安全面では問題ないはずなのに。
だったら、私が勤めていた書店はどうなるんだ。深夜2時まで営業してるんだぞー。
現場の書店の、夜間勤務人員がどうたら言われていたけれど、あれはまだいい方だと思う。
元勤務先なんか、深夜帯に平気で女の子をシフトに入れていたんだから。
あり得ないだろ!と、社員に掛け合ってやめさせたが、人数が少ないのは今も変わりない。
どうか、この事件をきっかけにもっと危機管理を徹底して欲しい。
人の命が奪われてから考えるのでは、到底遅すぎるに違いないけど。やらないよりマシ。


それと、もう1つ。

事件があって数時間後、現場と目と鼻の先の書店でハリポタ発売記念イベントをやっていて。
ここはハリポタが発売されるたびに訳者が来るし、客の行列もできる、ニュースになる書店。
犯人逮捕を受けて、問題なし、との判断だったのだろうから、いいっちゃいいけど。
ただ例年の如く、コスプレしてお祭り騒ぎなのはどうよと思ってしまった。
準備してきた側の事情もわかるが、もう少しトーンを落としたやり方もあったはずでは。
歩いて数分の場所で、まして同業者が被害に遭ってしまったのだから。

亡くなられた方のご冥福と、ケガをされた方のご回復を心よりお祈りします。
そして、現場の書店にもご愁傷様と申し上げたい。
山のように入荷したであろうハリー、どうかショタレになりませんように。
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インターネット広告の「トランスメディア」提供スキンアイコン by r_calliworks | 2008-07-24 16:10 | 元書店員のヒトリゴト

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