ALICE in mystery land
2009年 03月 06日
有栖川有栖 『女王国の城』
単行本: 507ページ
出版社: 東京創元社 (2007/09)
ISBN : 978-4488012274
◆江神シリーズの15年ぶりの新作。新興宗教の総本部である「城」とその城下町という特殊環境の中、そこで起きる殺人事件の解決と「城」からの脱出を試みるメンバーの運命やいかに…
ようやく、図書館から順番ですよーと回ってきた本。
何故読みたかったかというと、この表紙の装丁の文字!
以前、モジトルさんのブログで紹介されていたのを見て飛びついたんですが、
漢字でもこんなデザインできるのだなーと、正にゴシック体のような美しいラインにため息。
内容や作家については知らなくとも、完全にジャケ買い状態です。
……有栖川有栖、という作家の作品を読み始めたのは、実はつい最近のこと。
だって、名前がどうみてもアレでしょう?(笑) そこがどうしても勝手ながら好きになれなくて。
でも数多くの作品があるし、ミステリなんちゃらなんていうランキングにも顔を出しているし……
まずは試しに、と『壁抜け男の謎』を読んでみたら面白くて、
そこからいくつか『乱鴉の島』『ブラジル蝶の謎』『作家小説』etc.と、
図書館の書架にあった本を手当たり次第に借りてくるハメになりました。
ええ、ハマった……というんでしょうねえ。
「江神シリーズ15年ぶりの新作!」と言われるものの、私に取っては初江神。
それでも充分過ぎるほど面白く、2段組で500ページを超える厚さも一晩で読んでしまいました。
火村シリーズに出てくるアリスしか知らなかったので、学生アリスは新鮮そのもの。
今、1つ前に遡って『双頭の悪魔』を読み終わったところですが、
『女王国の城』とのブランクは全く感じませんでした。……次は『孤島パズル』かな。わくわく。
シリーズ物を遡って読むなんて!とお叱りを受けそうですが、
この作家にハマるのが今更なのでお許しいただきたいこと。
わくわくしながら次の新作を読む、というリアルタイムの楽しみももちろんですけれど、
後から知った者にとっては、まだ未知の作品を好きな順序で紐解く楽しみもあるのですもの。
そんなわけで、現在読むのが楽しくて仕方ない作家の一人。
◆
タイトルにした『ALCE in mystery land』というのは、
有栖川有栖氏自身が作品のあと書きに載せているサインのようなもの。
チェシャ猫のイラストの周りにぐるりとALICE in…の文字が書かれデザインされています。
もちろん『不思議の国のアリス』から来ているのは間違いないのですが、
実は、私のカリグラフィーも『不思議の国のアリス』が発端だったりするので嬉しく思ったり。
あれは高校生の頃だったでしょうか、『アリス』に描かれているジョン・テニエルの挿画が好きで、
パスケースや文房具など、そのイラストをあしらったグッズを愛用していたんですね。
中でも下敷きが一番気に入っていて(下敷きってびみょーですけど)、
それは本のページそのままを、モノクロで金地に印刷してあるデザインでした。
当時言葉は知らなかったけれど、まるで装飾写本のコピーのように美しくて。
文章の書体はゴシックだったと記憶しています。
そんな中、部活で(吹奏楽部で太鼓叩いてました)
演奏会で着るためのパーカーを作ることになり、そのデザインをお前がしろと言われまして。
何の因果か、美術選択だったのは私一人だったからなんでしょうけれど。
そこでふとアリスの下敷きを思い出し、あの美しい文字を使ってロゴにしようと思い立ちました。
ワープロやパソコンを使ったことすらなかった私、フォントなんて言葉は知りませんでした……
見よう見真似、いや完全なる当てずっぽう(笑)でアルファベットを模写し、組み上げて完成!
出来上がりは上々で(?)、部員も皆満足してくれていやー良かった良かったと思っていました。
が。
時を経て、私の当てずっぽうなロゴは見事に間違っていたことが判明したのです……(当然!)
そこで、いつかきちんと勉強しよう!と、カリグラフィーへの想いが芽生えるのでした。
今でも、ゴシック体を見るたびにテニエルの下敷きが頭をよぎり、胸の奥がちくちく痛みます(笑)。
吹奏楽部の皆さん、本当にごめんなさい……
◆
この『女王国の城』のデザインを見て、もちろんまた胸が痛んだのは言うまでもなく。
それでも、今私が有栖川作品に惹かれることは偶然ではなく必然なのでしょう。
単行本: 507ページ
出版社: 東京創元社 (2007/09)
ISBN : 978-4488012274
◆江神シリーズの15年ぶりの新作。新興宗教の総本部である「城」とその城下町という特殊環境の中、そこで起きる殺人事件の解決と「城」からの脱出を試みるメンバーの運命やいかに…
ようやく、図書館から順番ですよーと回ってきた本。
何故読みたかったかというと、この表紙の装丁の文字!
以前、モジトルさんのブログで紹介されていたのを見て飛びついたんですが、
漢字でもこんなデザインできるのだなーと、正にゴシック体のような美しいラインにため息。
内容や作家については知らなくとも、完全にジャケ買い状態です。
……有栖川有栖、という作家の作品を読み始めたのは、実はつい最近のこと。
だって、名前がどうみてもアレでしょう?(笑) そこがどうしても勝手ながら好きになれなくて。
でも数多くの作品があるし、ミステリなんちゃらなんていうランキングにも顔を出しているし……
まずは試しに、と『壁抜け男の謎』を読んでみたら面白くて、
そこからいくつか『乱鴉の島』『ブラジル蝶の謎』『作家小説』etc.と、
図書館の書架にあった本を手当たり次第に借りてくるハメになりました。
ええ、ハマった……というんでしょうねえ。
「江神シリーズ15年ぶりの新作!」と言われるものの、私に取っては初江神。
それでも充分過ぎるほど面白く、2段組で500ページを超える厚さも一晩で読んでしまいました。
火村シリーズに出てくるアリスしか知らなかったので、学生アリスは新鮮そのもの。
今、1つ前に遡って『双頭の悪魔』を読み終わったところですが、
『女王国の城』とのブランクは全く感じませんでした。……次は『孤島パズル』かな。わくわく。
シリーズ物を遡って読むなんて!とお叱りを受けそうですが、
この作家にハマるのが今更なのでお許しいただきたいこと。
わくわくしながら次の新作を読む、というリアルタイムの楽しみももちろんですけれど、
後から知った者にとっては、まだ未知の作品を好きな順序で紐解く楽しみもあるのですもの。
そんなわけで、現在読むのが楽しくて仕方ない作家の一人。
◆
タイトルにした『ALCE in mystery land』というのは、
有栖川有栖氏自身が作品のあと書きに載せているサインのようなもの。
チェシャ猫のイラストの周りにぐるりとALICE in…の文字が書かれデザインされています。
もちろん『不思議の国のアリス』から来ているのは間違いないのですが、
実は、私のカリグラフィーも『不思議の国のアリス』が発端だったりするので嬉しく思ったり。
あれは高校生の頃だったでしょうか、『アリス』に描かれているジョン・テニエルの挿画が好きで、
パスケースや文房具など、そのイラストをあしらったグッズを愛用していたんですね。
中でも下敷きが一番気に入っていて(下敷きってびみょーですけど)、
それは本のページそのままを、モノクロで金地に印刷してあるデザインでした。
当時言葉は知らなかったけれど、まるで装飾写本のコピーのように美しくて。
文章の書体はゴシックだったと記憶しています。
そんな中、部活で(吹奏楽部で太鼓叩いてました)
演奏会で着るためのパーカーを作ることになり、そのデザインをお前がしろと言われまして。
何の因果か、美術選択だったのは私一人だったからなんでしょうけれど。
そこでふとアリスの下敷きを思い出し、あの美しい文字を使ってロゴにしようと思い立ちました。
ワープロやパソコンを使ったことすらなかった私、フォントなんて言葉は知りませんでした……
見よう見真似、いや完全なる当てずっぽう(笑)でアルファベットを模写し、組み上げて完成!
出来上がりは上々で(?)、部員も皆満足してくれていやー良かった良かったと思っていました。
が。
時を経て、私の当てずっぽうなロゴは見事に間違っていたことが判明したのです……(当然!)
そこで、いつかきちんと勉強しよう!と、カリグラフィーへの想いが芽生えるのでした。
今でも、ゴシック体を見るたびにテニエルの下敷きが頭をよぎり、胸の奥がちくちく痛みます(笑)。
吹奏楽部の皆さん、本当にごめんなさい……
◆
この『女王国の城』のデザインを見て、もちろんまた胸が痛んだのは言うまでもなく。
それでも、今私が有栖川作品に惹かれることは偶然ではなく必然なのでしょう。
by r_calliworks | 2009-03-06 13:29 | 本